そして得たもの



身を滅ぼす瞳
双肩に乗せられた命
君が信じ続ける罪過
世界に重なる愛しき姿
守れなかった
幸せなど最初から求めてはいない
汚れた敬愛
絡み合う思惑と疑念
明日が訪れる証拠
幼き日に見たのは偶像だったか


滲む空を遮る表情
最期に信じた愛
逃げて避け続けたその結果
憂い日和に笑った君
鮮やかな懐かしき日の恋心
狂気に侵される真実
旋律が引き出す壊滅
悪いのはこの世界
翳み失われていく未来
慈悲という憎悪


見失った愛情の鋭い破片
恩恵の凶器
安穏の断罪
地に伸びる三つの繋がる影
夕暮れが見せる忘却した哭泣
懸想した横顔の哀しみ
今日は死に明日は息絶える
罪と成り果てた片恋慕
それでもどうか二人の未来に光を
滴る紅に混じる涙


過去の栄光と過ち
神に背いた英雄
悲劇が導く淡い恋の末路
錆びた刀の意思
獣の死屍
滲んだ世界に映る泣き顔の幸福感
不変を嘲笑って永遠になったあなたの想い
冒した蛮行
愛した咎
ある日の愚行


罪苦の道筋
答えなどとうに分かっていてそれでも認めたくなかった
死を意味する愛慕
嘘と偽りと虚構
後姿に見えた悲哀と彼への思慕
笑っているのならそれでいい
兆しはたった一つの小さなとても小さな嘘
善を滅ぼす存在
冗談で乞うた許し
神が教える現実


日増しに褪せていく過ぎ去りし日の約束
世界が狂った元凶
初恋を託した涙は追慕の中に沈み、
風が攫っていった摯実な言の葉
否定した真理
制御されていた想いの結末
血で濡れた刃に映る表情
修羅の中でしか生きられない男
涙に濡れたぐちゃぐちゃの笑顔
作り出した今日という嘘


それでもお前さえ生きてくれているのならこの心臓も惜しくはない
足枷と化してから気付いたその想い
誰もいない眸
廃墟に残る前途
あんたは嘘をつくことを知らない
後生だからと何度も繰り返す愛する瞳に目が眩んだ
残された時間と残された者
無意味な言葉
静かに募り膨れ上がる希望
遥か遠くから見渡した戦場


清らかな罪負い人
黒に混じる純白はただ白く輝く
黒髪から馨る匂い
問い続けて得た崩壊
素知らぬふり
刃が毀れて命尽きそれでも折れぬ信念に嫉妬
怨念は幸せを前に姿を薄くして
終わりの果て
真箇の虚言
どんなに汚れた世でも黒の瞳に映る世界はあまりにも綺麗でその瞳を守るためなら全てを捨てられた